【新刊】ペク・チウォン著『王を慎ましく(上・下)』(チンミョン出版社)
米国在住の歴史学者である著者は、韓国人が学んできた朝鮮の歴史は誤っていると主張し、
初代太祖から27代純宗に至るまで、朝鮮王朝500年の歴史を庶民の立場から記述した。厳格
な階級社会の中で押さえ込まれてきた被支配層の視点から、支配層の消耗的な党争や事大
主義などを辛らつに批判した。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
■[新刊] 「朝鮮はもっと早く滅ぶべきだった」
〜 『王を斬れ』(白チウォン著、上巻468ページ、下巻487ページ、各1万1900ウォン)
「反正によって思いもよらぬ棚ぼたで19歳で王位に上がった中宗は、賢くもないうえに性格が
優柔不断で、40年近く王位にありながらロクに働きもしない代表的な無能な王だった。また、
後押ししていた改革思想家の趙光祖(チョ・グァンジョ)を改革のなかばで処刑したことで、朝鮮が
下り坂から反転できる機会を自ら潰した、暗愚極まりないバカな君主だった。そのため諡号に、
どっちつかずの「中」の字が入ったのだ。」
『王を斬れ』は、破格的なタイトル自体に現れているように、支配層ではなく民が見た朝鮮の
歴史を痛烈に描いている(訳注:朝鮮日報日本語版は「王を慎ましく」と訳していますが、「王
を斬れ」と訳すべきだと思います。)。著者によれば、「民の側から見た朝鮮は、もっと早く滅ぶ
べきだった国」だという。
著者は序文の中で、「朝鮮は朝日(チョイル)戦争(訳注:秀吉の朝鮮出兵のこと)から滅亡までの
約300年間、25年間の正祖時代を除いては存在する価値の全く無い王朝であり、民の90%以
上を占める常民と賎民、そして庶子にとって、朝鮮は本当に犬のような国だった。彼らは何らの
希望もなしに、一握りの両班たちの収奪と抑圧の下で獣のような生活を強いられた」と批判した。
上下2冊、1000ページ近い大作である『王を斬れ』は、太祖李成桂から27代の純宗に至る朝鮮
500年の全歴史を扱っている朝鮮史の百科事典だ。<中略>
著者は、「私たちは学校教育を通じて、誤った歴史を学んでいる」と主張し、て朝鮮の歴史に関
する幅広い研究を土台に、既存の歴史家が敢えて取りあげなかった朝鮮史の隠された恥部を
明らかにしている。
著者はこの本を通じて、王と両班階級に代表される支配層の観点ではなく、身分と出身が卑し
いという理由で抑圧されていた被支配層の観点から朝鮮史を眺めた。また、世界史で類例が
無いほどひどかった自国民に対する身分差別、支配層の脳裏を数百年間にわたり支配した明
に対する徹底的事大、民衆の生活を省みず彼ら同士で戦った党争などに対し、辛らつで赤裸裸
な批判が、この本の主な流れを成している。
この本はまた、歴史を叙述する方式と文体が、一般的な歴史書とかなり違う。硬い文語体では
なく口語体で歴史を叙述しており、一般大衆が容易に歴史書に近付くけるよう配慮した。また、
滑稽と諷刺を適切に加味した。朝鮮支配層の象徴である王に対する説明や、いわゆる両班・士
大夫たちの情けない策略について、卑語や俗語を用いた露骨な表現もそのまま露出した。
アジア・トゥデイ(韓国語)
【猫車】
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【海鶻船】
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【飛車】
ライト兄弟より300年前に朝鮮の鄭平九が作ったとされる
世界初の飛行機。30朝鮮里を飛んだという。動力不明。
○
. ̄l二ニ=-┃ ←方向舵
| { ┃
L_二ニ=-┃
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_. ┃<`∀´ / > ____
/ ヽ⊂ )__/´ / ←主翼
∠ //⌒ヽ )/| /
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<{{><}}> <{{><}}> ←プロペラ
<ヽ.ムノ' > <ヽ.ムノ'>
■イザベラ・バードが見たソウル
「都会であり首都であるにしては、そのお粗末さはじつに形容しがたい。
礼節上二階建ての家は建てられず、したがって推定25万人の住民は
主に迷路のような道の「地べた」で暮らしている。
路地の多くは荷物を積んだ牛同士が擦れ違えず、
荷牛と人間ならかろうじて擦れ違える程度の幅しかない。
おまけに、その幅は家々から出た糞、尿の 汚物を受ける穴か溝で狭められている。
酷い悪臭のするその穴や溝の横に好んで集まるのが、
土ぼこりにまみれた半裸の子供たちと疥癬もちでかすみ目の大きな犬で、
犬は汚物の中で転げまわったり、日向でまばたきしている。
ソウルの景色のひとつは小川というか下水というか水路である。
蓋のない広い水路を黒くよどんだ水がかつては砂利だった川床に
堆積した排泄物や塵の間を悪臭を漂わせながらゆっくりと流れていく。
水ならぬ混合物を手桶にくんだり、小川ならぬ水たまりで洗濯している女達の姿。
Seoulには芸術品がまったくなく、公園もなければ見るべき催し物も劇場もない。
他の都会ならある魅力がSeoulにはことごとく欠けている。
古い都ではあるものの、旧跡も図書館も文献もなく、
宗教にはおよそ無関心だったため寺院もない。
結果として清国や日本のどんなみすぼらしい町にでもある
堂々とした宗教建築物の与える迫力がここにはない。」