現代起亜(ヒョンデ・キア)自動車グループマーケティング担当の李ジウォン専務はこの頃、円・ウォンレートの
動向を見るとどきっとする。昨年末から、ウォン・円レートが急落(ウォンの価値上昇)、現代車グループで生産
する自動車の価格競争力が日本車に比べ大いに落ちているからだ。
「トヨタは米国市場ですでに、小型車であるヤリスを、現代ベルナや起亜プライドよりもっと安値で売っています。
ウォン高円安が100円当たり700ウォン台まで進めば、韓国車と日本車の価格が逆転する可能性もあります。も
う限界に来ています」
●100円=800ウォン時代…景気低迷の恐れ
円・ウォンレートが100円=800ウォンを脅かすほど急落していることから、韓国企業の収益性悪化と全般的な景気
低迷を憂慮する声が大きくなっている。1970年代以後、韓国経済の景気循環過程を振り返ってみると、ウォン安の
時は、韓国経済が好況だった半面、ウォン高の時は不況だったことが多かった。
特に、現在の経済状況が、経常収支が急速に悪化するなど各種経済指標に「赤信号」が灯った通貨危機直前と類似
しているという点で、一角ではややもすれば「経済危機」になるのではないかという憂慮も出ている。
●「過去をみれば未来がみえる」
1970年代から通貨危機の時まで、韓国経済の景気循環の流れを見れば、為替レートの変数が大きな影響を及ぼした。
特に、海外市場で韓国と日本製品が競争する構造のため、ウォンと円の相関関係は非常に高い。三星(サムスン)経済
研究所によれば、同期間、景気拡張期は6回。このなかで1980年9月〜1984年2月の拡張期を除いた5回は全部、
円高だった。韓国は円高の恩恵をたっぷり受けたわけだ。同期間、6回の景気収縮期の中で、1992年1月〜1993年1月
を除いて、全部円安だった。
実際に、いわゆる「3低好況」を享受した1985年9月〜1988年1月中に、ドル・円レートは85.7%も上がった。一方、ドル・
ウォンレートは13.2%上昇にとどまり、ウォンに比べ円が強かった。同期間、韓国は高い経済成長率と証市活況を享受した。
一方、「3低好況」が終わり、景気が下落傾向だった1988年1月〜1989年7月は、ドル・円レートが9.3%落ちた反面、ドル・
ウォンレートは18.0%上昇した。この時は、成長率が鈍化し、株価は大幅に下落した。
1993年1月〜1996年3月の景気上昇期の時も、ウォンが円より弱かったが、ウォン高に転じた1996年3月以後には、急激
に経常収支が悪化し、翌年、通貨危機の一因にもなった。金ジョンシク延世(ヨンセ)大教授(経済学)は、「現在の状況は、外
国人投資資金が抜け、ウォン・円レートの下落で経常収支が悪化するなど通貨危機直前と似ている。為替問題に対し、政府が
介入を悩まなければならない時点」と話した。
●為替レートの影響、過去よりは減少したが…
ウォン・円レートが韓国経済に及ぼす影響が過去より減ったので、円安が大した問題にはならないという意見もある。韓国の貿易
相手国が中国などと多様になったうえ、輸出品の品質競争力も高まったためだ。実際に、04年から、ウォン・円レートが急落する
中でも、韓国の輸出増加率は04年31.0%、昨年12.2%と二けた行進を続けた。しかし、問題は、この頃のウォン・円レートの
下落速度が、韓国経済が耐えがたいほど速いということだ。チョン・ヨンシク三星経済研究所首席研究員は、「今のように、ウォンが
過渡に強い状況で、ウォン・円レートが下落し続けば、対外貿易に深刻な影響が生じるだろう。特に、日本と競争する高付加価値
産業の輸出が打撃を受ける恐れが大きい」と展望した。
東亜日報
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2006年10月05日
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